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2022.9.15
法学研究科長

法学研究科長からのメッセージ

変動する現代社会が直面する
法的・政治的・国際的課題に
共に取り組もう

法学研究科長 亀岡 倫史

 成城大学大学院法学研究科は、1987年の創設(同年、修士課程法律学専攻を開設。1993年、修士課程を博士課程前期に改組するとともに博士課程後期を開設)以来、法学の分野における高度の理論的、実際的研究や他の学問分野にまたがる研究を行い、その成果を教育するとともに、広く社会に発信することによって、学術の発展に貢献することを目指し、多様な人材を社会に送り出してきました。
 本研究科の強みは少なくとも二つあります。
 一つは、学部とその理念を同じくする少人数教育主義です。本法学研究科はかつて、法科大学院を開設しないという決断を前向きにいたしました。その結果、学部専門科目の専任教員のうち大学院担当資格を有する者が全員、大学院の研究指導にも携わることができ、学部における少人数教育主義を受け継ぎつつ、きめ細やかな教育・研究指導にあたるという体制を整えています。また、本研究科においては、専任教員のみならず、良質な非常勤の先生方にもご協力をいただいております。私たちは、大学院生も教員も同一の学問共同体に属する研究仲間であり、教員と大学院生、大学院生同士の対人的コミュニケーションが学問の基礎であると考えております。本研究科に関心をお持ちになった方は、どうか、非常勤での出講をお願いしている先生も含めて、本研究科での指導を担当している教員ひとりひとりに着目していただければと思います。
 もう一つは、充実した資料室を利用できる環境があるということです。教員職員の粘り強い努力と学園・大学本部のご理解とご支援によって整備された法学資料室は、国内外の法令集・判例集・図書・雑誌等の各種研究資料の豊富さ、国内外の法律関係データベースをはじめとする電子媒体へのアクセスのよさ、最先端をいくラーニングスペースとしての充実度という点で、国内屈指であると自信をもって申し上げることができます。
 本研究科では、2020年度の入試から、試験科目・提出書類について改革を行いました。また、私たちは、この2年間の新型コロナウイルス感染症蔓延下での経験を生かし、With CORONA, After CORONAに向けた教育・研究指導体制の充実にも尽力してまいりたいと考えています。
 本サイトでは、本研究科の研究・教育および入試制度等について最新の情報を随時お伝えしていきます。本サイトが、教員と対等な立場で学問研究に打ち込みたい方、法律専門職に就きたい方、より高度な法学知識を就職に役立てたい方、さらには、学位をキャリアアップに生かそうとされる方のお役に立てることを願っています。

2022年4月
法学研究科長 亀岡 倫史(かめおか みちふみ)

専攻紹介
INTRODUCTION

法学研究科の概要

院生研究室1
大学院法学研究科は、高度な法律学の教育を行い、十分な研究能力や高度の専門性ある職業等に必要な能力を養うことによって、現代における政治、経済、社会問題の多様化・国際化に対応できる人材を育成することを目指して、1987 年 4 月に法律学専攻の修士課程として出発しました。しかし、法律学研究に対する社会的な期待の高まりに応えるためには、修士課程のみにとどまらず、理論および応用の両面
からこの学問に取り組み、法律学の発展に寄与し、かつ、研究者として自立した研究活動を行うことができる人材や、高度の研究能力と学識をもって高度に専門的な業務に従事することができる人材を育成するための態勢をつくることが重要であるとの認識が強くなり、1993 年からは博士課程後期を設置して本格的な大学院としての研究・教育態勢を整え、今日に至っています。
 
本研究科は、修業年限 5 年の博士課程ですが、これは 2 年間の博士課程前期と 3 年間の博士課程後期に区分され、博士課程前期を修了することにより修士の学位を取得することができ、博士課程後期を修了することにより博士の学位を取得することができます。これまで、博士課程前期には成城大学の卒業生のほか、他大学の卒業生も多数入学し、博士課程後期にも、本研究科の博士課程前期修了者のほか、他大学大学院で修士の学位を取得した人が多数入学しています。本研究科のカリキュラムは、各教員がその専門とする分野に関する授業を行う授業科目(「○○研究」とか「○○特殊研究」という科目名になっています。)と、個々の学生がその指導教授から受ける、論文指導を中心とした研究指導で構成されていますが、研究指導はもとより授業科目においても、少人数でのゼミナール的な形態で密度の高い授業が行われています(開講科目の一覧表は別にあります。)。また博士課程後期では、必要な場合には指導教授の許可の下に、指導教授以外の教授からも論文指導を受けることができるようになっています。
 
本研究科では、研究指導・授業科目についてセメスター制をとっており、各科目は 2 単位が配当され半年で完結するようになっています。これにより、学生は各自の問題関心にもっとも即した科目を選択して集中的に履修することができるほか、在学中に海外留学をするような場合にもその時期を適切に選ぶことができます。各教員が開講している授業科目の内容は、その分野について一方で基礎的な研究能力を養うこと、他方で、それを踏まえて特殊・個別的なテーマを扱う能力を養うことを目指していて、前者との関連では、方法論的な訓練と基礎理論研究に力を入れ、後者との関連では、社会の最先端にある法律問題にも目を向けてこれに取り組むことができるように工夫されています。このような授業科目の内容設定は、博士課程後期においてばかりでなく、博士課程前期の教育においてもよい効果をもたらしています。また、本研究科教員(一覧表は別にあります。)の専門分野は、国内実定法の各分野を中心に、国際法、国際関係論そして国際政治史等にもわたっており、学生の多様な問題関心に応えるための努力が続けられています。
 
このように本研究科は、法律学研究に関心を持って大学院への入学を希望する方々が、充実した大学院生活を送り、有意義な進路を切り開いて行くことができるように努めており、今後も一層の努力を重ねて行くつもりでおります。

研究科学生の状況

院生研究室2
2022年4月1日現在の学生数は、博士課程前期5名、博士課程後期0名の合計5名です。本研究科のこれまでの修了者(学位を取得した者)は、修士課程または博士課程前期を修了した34期170名の修士と博士課程後期を修了した10名の博士で、それらの修了者あるいは博士課程後期の単位修得退学者は、研究者(大学教員)、法曹、公務員となったり、専門知識を活かせる企業や機関等に就職したりして、その進路は多様です。

社会人・外国人への対応

院生研究室3
本研究科は、入試方法にも工夫をこらしながら、社会人や外国人留学生の受入れを積極的に行っています。2 単位制のカリキュラムは、社会人の研修に適切であると思われますし、外国人留学生に対しては、日本語の力を補うための学生によるチューターも実施しています。また、本大学院全体の措置として、外国人留学生のための授業料等軽減措置もあります。