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法学部ゼミ

カリキュラム名 担当教員
基本書演習〈刑法〉 指宿 信
シラバス(成城大学シラバスシステム 2022.3.27現在のデータより引用。)
2022
基本書演習〈刑法〉




担当教員 実施学期 単位数 配当 曜日・時限 教室名 授業コード
指宿 信 (いぶすき まこと)
後期 2 法1 水 1
53L
4804
※後期履修登録科目
授業の内容
 専門科目である「刑法Ⅰ(概論及び犯罪成立要件)」,「刑法Ⅱ(各論)」,「刑事訴訟法」,「刑事政策」の導入となるよう,刑事法学について概観する。もっとも平易な教科書を用いて,刑法総論部分,刑事手続,刑事政策について学ぶ。具体的には,行政罰と刑事罰との違いから刑罰の持つ意味や機能を掘り下げたり,ストーカー事案を例に使って民事不介入の原則と国家権力が私人間に介入することの問題を考えたり,あるいは,最も「世間」で理解されず批判の強い心神喪失者が罪を問われない原則を曲げた場合にどういった問題が生じるかを考えることで「責任主義」の本質を学ぶ。
到達目標
 刑法総論のテキストを共に読み進めることで,教科書(基本書)の読み方を習得し,自ら主体的に法律の学習ができるスキルが身につく。
授業の方法
 教科書掲載の設問について,毎週自分で考えた回答をA4一枚程度にまとめ,次週提出する。授業はその設問に沿って,教師からの質問を中心に進める。2022年度は面接とオンデマンドを混合で実施する。
授業の計画
1. ガイダンス 教科書の使い方、授業の進め方、レポートの書き方、などの説明。(オンデマンド授業)
2. 刑法についての基本的考え方
ストーカーの事例を手掛かりとして、刑事的規制のあり方を通じて「犯罪」と「刑罰」が法律によって規定される経緯やきっかけを学ぶ。(zoomを利用した遠隔授業)
3. 犯罪とは何か
不能犯の問題を手掛かりとして、刑法が責任を問う行為とは何か、その要件としていかなることが求められるかを考える。(面接授業)
4. 人のいのちと刑法
民法上の「人」と刑法上の「人」の違いや死ぬ権利の問題を通して、刑法が命をどのように扱っており、現代社会においてどのような問題に直面しているかを考える。(面接授業)
5. 性と刑法
2017年に全面的に改正された性犯罪規定を手掛かりに、その内容と課題を通して刑法が何を保護しようとして何を禁じているのかを考える。(面接授業)
6. 経済取引と刑法
コンピュータ社会において、従来の財物を保護する刑法を中心とする法体系の限界が明らかになっている。今後の経済活動や消費活動をどのように保護していくかを考える。(面接授業)
7. 刑事訴訟法についての基本的考え方
占領軍が起草した現行憲法の草案を手掛かりに、我が国の刑事訴訟法典の特徴やアメリカ化、当事者主義化の経緯と限界を学ぶ。(zoomを利用した遠隔授業)
8. 被疑者の取調べ
日本的取調べの特徴とその課題を通して取調べに関する規律のあり方を考える。(面接授業)
9. 検察審査会制度
アメリカの大陪審制度との比較を通して、日本独特の検察審査会制度の特徴を手掛かりに起訴・不起訴の統制の方法について考える。(面接授業)
10. 警察捜査の実態と今後の課題
捜査機関による捜査手法について、GPS捜査に立法を必要とするとした最高裁大法廷判決を手掛かりに、わが国における捜査の規制のあり方とその限界について考える。(面接授業)
11. 裁判
裁判員裁判の経験者の経験談を元に、事実認定と量刑手続きに市民が参加する我が国の裁判制度の仕組みの特徴と問題点を学ぶ。(面接授業)
12. 捜査弁護
刑事弁護人の経験談を元に、世間では「悪人」とされる人々になぜ弁護が必要なのかを考えるとともに、罪を償い再犯せず、更生を促す刑事弁護の新しいあり方について学ぶ。(面接授業)
13. 刑事政策についての基本的考え方
我が国の犯罪状況について統計を基に概観し、日本の治安が良い理由や近年の犯罪減少傾向、高齢者犯罪の増加といった特徴を踏まえ、犯罪統制に関する理論枠組みについて学ぶ。(zoomを利用した遠隔授業)
14. 罰することの意味
死刑存廃論を手掛かりに「人を罰する」こと、刑罰の意義について考察を深める。(面接授業)
15. 被害者支援をいかに実現するか
被害者遺族の言葉を手掛かりに犯罪被害者に必要な保護や支援の概要を知り、これまで我が国で進められてきた被害者保護施策の展開や問題点について学ぶ。(面接授業)
授業時間外の学修(予習・復習等)
 指定された章を事前に読み,課題レポートを作成するのが最低限の義務である。読んできていない人には出席を認めない。
成績評価の基準と方法
授業への参加度(30%) 課題レポートの提出状況と内容(70%)

 詳細は,第1回目の授業において担当教員より説明がなされる。なお,すべてのクラスを通じて欠席が3分の1以上あった場合は,単位が認定されないので注意すること。
教科書
 著者:三井誠・曽根威彦・瀬川晃編 書籍名:『入門刑事法[第7版]』 出版社:有斐閣 発行年:2020 価格:¥2,500
参考文献
 適宜指示する。
履修者への要望

教員との連絡・相談方法
 メールアドレス1:ibusuki[at]seijo.ac.jp
 ※ [at]は@に置き換える。

 上記アドレスまでメールをする,あるいは法学部受付に申し出ること。
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